2012年4月18日水曜日

ウミガメの講演会がアツかった


「加藤順彦・湯川鶴章講演会」に参加してみた。
加藤順彦さんはGMO NIKKOを立ち上げた人で現在はシンガポールで起業家の支援を行なっているらしい。湯川鶴章さんは関西発のテクノロジー系サイトTechWaveの運営者。

正直ふたりとも全く知らない人。下の副題が面白そうだったのなんとなく参加。


『中国語で、海外に出て成功し中国に貢献する人のことを「ウミガメ」と呼んでいます。ウミガメのように大きく成長して、故郷に卵を産みに帰ってくる…という意味です。今回「大阪からウミガメが生まれ、故郷に貢献していく流れを作りたい」という思いから、まずはウミガメ1号&2号と自負する二人によるW講演が実現しました』




で、内容はかなり面白かった。会場も超満員でびっくり。以下気になった点まとめ。


・今後イノベーションは先進国からは生まれない。
巨大な人口を有するインド。ここにはハイテクと貧困の二面があり、彼らはITを通じて社会問題を解決することに熱中している。(ハイテクは米国からのアウトソーシングによる成長)このような社会イノベーション中心のIT産業発展は先進国の進み方と明らかに異なる。インドでのモデルは周辺国とアフリカでもそのまま使えるため莫大な市場が開けている。


・シリコンバレー→イスラエル→インド
起業のエコシステムのピラミッドの順位はすでにここまで来ている。ITの場合は周辺インフラが必要ない。アジアの見た目の現状に惑わされてはダメ。新しくパソコン始めた技術オンチの人が新しいマシンでハイスペックを誇っているのと同じ。道路や電気などのハードインフラはすっ飛ばしてITのみは一般化している。


・大企業は訳の分からないモノには手を出さない。
一方日本の話。大企業は、新しく自分たちの理解できないモノには手を出さない。レピュテーションリスク(評判リスク)を恐れる。このグレーゾーンがベンチャーの狙いどころ。


・新しい勢力が潰される日本の悪しき習慣
日本では新興勢力がたまたま法律改正によって潰れることがよく起こる。
ベンチャーが大いに成長していた2000年代前半、ホリエモン逮捕で信用を失った多数の若いベンチャーが死亡。人材派遣産業も法律改正により新勢力がバタバタ潰れた。これらはみな同じ現象で、若い目は社会悪のレッテルを貼られて死んでしまうシナリオを常に誰かが描いている。一番得するのは市場を席巻している現勢力。一方アメリカではフォーチュン500の会社の内容は常に変化する。新勢力がヒーローとして扱われる。アジアの他の地域でも同じ。このままでは日本は古い会社ばかりになってしまう。


・どれだけ頑張っても日本は弱くなる
この先、日本は間違えなく衰える。人口は減るし、高齢化は進む。どれだけ頑張っても避けられない事実。今まで食えた会社が食えなくなる。市場を求めてアジア進出を余儀なくされるのは必然。


・アジアの中心はシンガポール
欧米による占領を経験したアジアでは外資の進入にとても厳しい。一気に門戸を開くと乗っ取られるので入り口をとても狭くしている。その門がシンガポール。しかも税金安い、多民族国家、英語使用などグローバルビジネスの素養が全て揃っている。


・どのタイミングでバットを振るかは自分次第
アジアはまだ価値あるグレーゾーン。ただし、いつ自分のバットを振るかはあなた次第。無責任に煽るようなことはできない。


・求めているのは一人のローモデル
海外で起業して成功した誰か日本人知ってますか?日本は完全に出遅れている。今必要なのはたった1人のローモデル。「あの人のようになりたくて世界に飛び出しました」と言われるような。例えるならイチローや中田。


・「これからどんな視点を持てば良いのでしょうか?」大学生
自分を日本人でなくアジア人として認識すべき。アジアを鳥瞰する視座を持てば市場は繋がって見えるはず。

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